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2012年5月 9日 (水)

夏は来ぬ

お元気ですか。季節の変わり目の大竜巻は自然の脅威を覚えました。

皆様お変わりなくお暮しのことと思います。


 紅は うつろふものぞ 橡(つるばみ)の なれにし衣(きぬ)に なおしかめやも (巻18-4109)大伴家持
(紅は次第に色あせるが、橡(どんぐり)染の着慣れた衣には、やはり及ばないよ・・・。紅(遊女)の気はコロコロ変わって信じられないが、橡染めの地味な妻にはやはり及ばないよ。)妻への愛情がいっぱい詰まった歌です。


 夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものぞ (巻8-1500)大伴坂上郎女
(夏の野の繁みにひっそり咲く姫百合のように、あなたに知られることのない私の片恋の苦しさがわかりますか・・・。)
大伴坂上郎女は大伴家持の叔母ですが、大伴旅人が大宰府長官のころ、ともに大宰府に住んで家持の教育や長官の身の周りに気を配りました。万葉集中の才女と言われながら、大宰府で詠んだ歌は数種にすぎません。不思議です。


お大事にお暮しください。
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2012年4月19日 (木)

藤の花

 お元気ですか。桜の花が列島の南で散って、北では満開です。

日本列島の四季の豊かさを知らされます。
 さて、今回は藤の花の歌2首です。
 藤波の花は盛りに なりにけり 平城(なら)の都を 思ほすや君   大伴四綱(巻ー3-330)
(大伴四綱が大宰府に赴任した折、詠んだ歌です。大宰府の藤の花と重ね合わせて、奈良の都は
今、藤の花真っ盛りですよ、と大伴旅人に報告した歌です。一説には、奈良の都で藤原家が隆盛を
誇っています。太宰率大伴旅人様、いかがお思いですか、といった意味合いがあるとも言われています)
 多祜(たこ)の浦の 底さへにほふ藤波を かざして行かむ 見ぬ人のため   内蔵縄麻呂(巻19-4200)
(多祜の浦の海底を思わせるように美しい藤の花を、髪にかざして行きましょう、まだ花を見ていない人のために)
 今、九州のあちこちで藤の花が咲いています。お元気でお暮しください。
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2012年4月 6日 (金)

散る桜

もう、福岡では、桜が散り初めています。散り花前線も、南から北上するのでしょうか。

 万葉集の巻16の冒頭に、桜子伝説の歌があります。

 

 桜児を慕って命を懸けて争ったという男子二人に、桜児は「同時に二人に嫁げない」と

 

林中に入って自死しました。残された男子は、それぞれ次の歌を詠みました。

 

 

 

 春さらば かざしにせむと 我が思ひし 桜の花は 散りゆけるかも (巻16-3786)

 

 

 

 妹が名に 懸けたる桜 花咲かば 常にや恋ひむ いや年のはに (巻16ー3787)

 

 

 

今回は解説はありません。無粋というか野暮というものです。

 

季節の変わり目は、お体にお気をつけてお暮しください。

 

 

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2012年3月25日 (日)

春の訪れ

 お元気ですか。各地で桜の開花情報が聞かれるようになりました。

寒い寒いと思ってた日々が忘れられた様に温かくなり、もう、3月下旬の最後の日曜です。
月日の経つのは早いものですね。さて、万葉歌です。
 春の野に すみれ摘みにと来し我を 野をなつかしみ 一夜寝にける (巻8-1424)山部赤人
(春の野にすみれを積みに来た私は、野原が懐かしくって、一夜寝てしまったよ)
 めずらしき 君が来まさば 鳴けと言ひし 山ほととぎす 何か来鳴かむ (巻18-4050)久米広縄
(遠くから珍しくあなたがおいでになったら、鳴けと言っておいたほととぎすは、なぜ鳴かないのか鳴いてほしいよ)
 季節の変わり目は風邪などひかないようにご注意ください。お元気でお暮しください。011

2012年3月 1日 (木)

春めく日

 

ずいぶん春めいてきました。お変わりございませんか。

さて、万葉集歌、皆様ご存知の太宰少弐小野老が大宰府着任直後に詠んだ歌です。
 あをによし奈良の都は咲く花の にほふがごとく 今盛りなり  (巻3-328)
も一つ、大伴池主(越中で大伴家持と交友があった官人)の歌
 山峡(やまあい)に 咲ける桜を ただひと目 君に見せてば 何をか思はむ (巻17-3967)
この時代の桜は、まだ、山桜が主体だったようです。 
 皆様のご健康を祈っています。
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2012年2月15日 (水)

万葉の防人

 

日本海岸、東北では豪雪が続き、難儀をされていますがお元気でしょうか。

 寒さも厳しい日が続いています。お体大事にお暮しください。
 さて、万葉歌を2首お届けいたします。
今日よりは 顧みなくて 大君の しこの御盾と 出で立つ我は (巻20-4373) 防人
(今日からは、後ろを振り返ることなく、恥ずかしながら大君の盾となって、私は行きます)
前大戦のさなかで、私たちは事ごとに歌わされて、暗唱してしまっています。忘れられません。
旅行きに 行くと知らずて 母父(あもしし)に 言申さずて 今ぞ悔しけ (巻20-4376) 防人
(防人になって遠く旅に出るとは知らず、母や父にそれを告げることもせずに、来てしまったことが悔しい)
戦中を生きてきた我々には、こもごもの思いがあります。生きましょう。

2012年1月25日 (水)

正月の歌

寒い雪の日が続いています。皆様お変わりなくお元気ですか。

やるべき議員削減、歳費削減は後回しで、消費税増税論議の政局ですが、
TVの錦織選手のテニスを見ながらメールしています。格上相手によく頑張っています。
さて、万葉歌、今回は大伴家持の正月の歌2首です。
 冬過ぎて 春の来たれば年月は 新たなれども 人は旧(ふ)りゆく  (巻10-1884)
(冬が過ぎて春が来ると、年月は新しくなるけれども、人は年を重ねて古びてゆく)
 物皆は 新(あらた)しきよし ただしくも 人は旧(ふ)りゆく よろしかるべし (巻10-1885)
(物はみな新しいものが良いけれども、ただしかし、人が年を重ねて長ずるのも良いことだ)
 寒さが厳しくなります。お体に気をつけてお暮らしください。

2012年1月 5日 (木)

新年の歌

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 今年は日本中が良い年であることを祈願しています。
 新春にふさわしく福寿草や水仙の開花ニュースが聞かれています。
さて、万葉歌です。正月にふさわしい大伴家持の正月宴会時の歌です。
 正月(むつき)立つ 春の初めに かくしつつ 相(あひ)し笑(え)みてば 時じけめやも  (巻18-4137)
(正月の春の初めに、こんなにしてお互い笑い合うって言うことは、いつだって楽しいことですね)
 良いお正月をお過ごしください。写真は正月2日の太宰府天満宮境内です。
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2011年12月20日 (火)

旅人酒の歌

 今年も残すところ僅かになりました。いろんな事、特に災害の多かった年であり、中でも放射線被害については、終息するまでに半世紀を要するもののようです。

 明るいニュースは、なでしこジャパンの快挙、世界三連覇の体操内村航平選手の事でした。
 今年最後の万葉歌二首002 です。いずれも大伴旅人の酒の歌です。
 この世にし 楽しくあらば 来(こ)む世には 虫に鳥にも 我はなりなむ   (巻3-348)
(この世において酒を飲んで楽しく過ごせるものならば、あの世では、虫にでも鳥にでもなったってかまわない)
 生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば この世にある間(ま)は 楽しくをあらな   (巻3-349)
(生きている者は、いつかは死ぬというのだから、この世に生きてる間こそは、酒を飲んで楽しく生きよう)
皆様、希望を持って良いお年をお迎えください。

2011年12月 6日 (火)

万葉の酒仙

 今年もついに師走の月に突入しました。いろんな事があった年でした。なかんずく東北大震災と東京電力第一原発の放射線被害は国民に陰陽両面の精神的影響を与えました。でも、国民は協力し合って立ち上がっています。

 来年は希望の年である事を心から祈っています。今回の万葉歌は、大伴旅人の酒の歌です。
 
 験(しるし)なきものを思はずば 一杯(ひとつき)の 濁れる酒を 飲むべくあるらし (巻3-338)
(どう仕様もないもの思いをするくらいなら、一杯の濁り酒を飲んでた方がずっとよかろう)
 酒の名を聖(ひじり)と負(おほ)せし いにしえの 大き聖の言(こと)のよろしさ  (巻3-339)
(酒の名を「聖」と名付けた、いにしえの大聖人の言葉使いの見事さよ)
 皆様、師走の忙しい時期を、お体大事にお暮らしください。